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「日本舞踊:科学的アプローチと基礎研究」

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発表:「吉原仲之町の図像学:浮世絵から日本舞踊の定式大道具へ−浮世絵の先行研究を基盤として」

田口 文哉

(日本大学芸術学部リサーチ・アシスタント)

要旨

日本舞踊の舞台背景(定式大道具)は、江戸時代の花街吉原仲之町の情景を見立てたものである。その情景とは、舞台の両袖から中央に向けて左右の楼閣が奥まって列び行く様を遠近法的に描き、その中央を貫く通り(仲之町)の手前に満開の桜を配すというものである。この舞台背景は、他と比較しても、奥行きのある視覚効果が生かされた特徴的な描き方だと言ってよいだろう。
本発表の目的は、この吉原仲之町のイメージがいかにして形成され、その特徴的な描き方が人々の間で典型的図像として共有されてきたありかたを、主として絵画資料の変遷に焦点をあて問うことにある。定式大道具のイメージは仲之町の一情景を描いたものだという単純な理解ではなく、特徴を凝縮したそのイメージこそが、ひいては吉原という花街全体を表す象徴となることが問題なのである。
具体的にはこの分野での先行研究を基盤とし、吉原仲之町を描いた浮世絵を中心に調査を行い、図像的な特徴を抽出する。その構図的特徴を簡単に述べれば、現代の定式大道具とほぼ類似するということができる。一番の構図的特徴とも言える遠近法的描写は「浮絵」と呼ばれる技法で、舞台図などにも使われたが、特に吉原仲之町の図には初期から典型的な表現方法であったことを伺うことができるのである。
また、この他にも浮世絵から派生するメディアとして、版画の絵を切り抜き、組み立て、ミニチュアの芝居の舞台装置を作ることができるおもちゃ絵である「立版古」にもほぼ同図像の仲之町イメージをみることができる。これらはまさに芝居と深い関わりのあるメディアであり注目を要するだろう。以上のような事例を比較対象として、歴史的・図像的特徴を明らかにすることにより、日本舞踊の定式大道具へ継承される仲之町イメージを探っていきたい。

プロフィール

日本大学大学院芸術学研究科芸術専攻博士後期課程在籍。修士(芸術学)。主な研究業績「「擬人化」の図像学、その物語表現の可能性について――御伽草子『弥兵衛鼠』(慶応義塾図書館蔵)を主たる対象として」(『美術史』第160冊, 2006.3)ORCNANAプロジェクト:2005・2006(前期)年度リサーチ・アシスタント。研究課題「日本舞踊の3DCG作成における、背景描写作成に関する図像調査 ―絵画資料を主な調査対象として―」「日本舞踊の舞台設定(定式大道具=吉原仲之町の情景)に関する図像学的考察」。美術史学会所属。

発表者紹介および要旨
丸茂 美惠子 氏
内藤 浩誉 氏
安室 可奈子 氏
田口 文哉 氏
出羽 尚 氏
渡沼 玲史 氏
三戸 勇気 氏
篠田 之孝 氏
入江 寿弘 氏
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